QNAPのTS-453Dを買った話

概要

複数のコンピュータを扱っているとそれぞれのコンピュータからアクセスできるストレージが欲しくなる。今回はQNAPのTS-453DをNASとして導入することによってこの課題を解決する。

 

経緯

現在我が家の使用されている計算機の台数は、 スマートフォンが1台、タブレットが2台、PCが6台と、複数存在している。その端末それぞれに異なった役割があるが、利用するデータも全く異なっているという訳ではなく、音楽データなどは異なった端末でも同じデータを利用される場合がある。このとき、それぞれの端末に対して同じデータを記録させる方法もあるが、十分なデータ記憶容量を持っていない端末が存在している上に、データに変更追加削除が生じたときに全ての端末にそれを反映する作業が手間となる。すると次の方法としては、ネットワーク上にどの端末からも利用できるストレージを用意し、そこにアクセスしてもらうという方法が考えられる。
 
このとき、Google Driveなどのクラウドストレージサービスを利用することによって解決する方法も考えられるが、一般的にクラウドストレージサービスはアップロードされるファイルの中身を見ており、社会的に問題があると考えられるファイルがアップロードされた際に、ファイルを削除する、ストレージへのアクセスを停止させる、アカウントを停止・削除させるなどのが取られる。ここでの問題が、どのような基準で持ってどのような手法で?というものである。個人的にミスの存在しない完璧な判定を下す機械学習・AIはないと考えており(SNSなどに投稿された何でもない画像がポルノ画像と誤判定される話などは有名だろうか?)、その誤検知に引っかかってアップロードしてきた全てのデータを消されては困るので、クラウドストレージサービス単体の利用は避ける。さらに、インターネット回線の都合やその他制約から、バックアップ用途以外は避ける。
 
 
現在、我が家のネットワーク上に存在する機器は上の図ような構成になっている。実はここにはすでにUbuntu Server上でSambaを使ってファイルサーバ機能を提供しているコンピュータが存在している。このコンピュータの構成はMQ04ABB400という東芝製2.5 inch HDDが乗ったASRock Beebox J3160となっているが、このHDDは2.5 inchというサイズに対して4TBという大容量な記憶容量を持っているが、その代わりに厚みをもっており、その厚さからBeebox J3160に正しく取り付けられず、下の図のように本体と蓋で挟み込んで箱の中に押し込んでいる状態となっている。これに加えて、このファイルサーバに存在するデータはRAIDによる冗長化、その他手法によるバックアップを行っていないので、現在問題が起きていないが問題が起きたときに取り返しがつかなくなる状態となっており対応が必要である。
 

 
そこで、複数の3.5 inch HDDが使えるコンピュータに乗り換えることとする。

しかしそこで、以前と同様にOSを自由に入れられるコンピュータを買い、そこにSambaを入れたLinuxを入れて利用する方法と、ハードとOSとネットワークストレージ機能を一緒にして売られているNASを買い利用する方法の2つがあるが、今回はOSなどの設定の面倒を見たくなかったため、NASを買い、利用することにした。

NASの選定

一般家庭向けのNASを販売しているメーカーで定評があるのはQNAPとSynologyということがインターネット上の記事を複数読むと分かった。特にその2つで大きく違うものは無いという認識だが、QNAPの方が色々設定を変更できるという評価が多く感じたので、多く設定を変更できる方が面白そうとQNAPから機器を選ぶこととした。
具体的な機器を選ぶ基準としては、ベイ数について、RAID1を組んで対障害性を高めたいので2ベイ以上は決まっており、そこに容量を増やしたくなるかもしれないので、念の為4ベイという基準になった。また6年以上は使いたい気持ちがあったため、メモリなど多少余裕を持たせた構成がよいので、QNAP TS-453Dを購入することとなった。

購入したもの

NASを利用するにあたって購入したものは下記の3つとなる。

 

QNAP TS-453D-4G

選定理由は先に述べたとおり。TS-453D-4Gは搭載されているメモリが4GBということで、8GBのメモリを搭載したTS-453D-8Gというのも存在しているが、日本で買うことができるのは4GB版のみということでTS-453D-4Gを購入した。

WESTERN DIGITAL Blue WD80EAZZ

すでに稼働しているファイルサーバで使用しているHDDの記憶容量が4TBだったため、多少の余裕と値段で相談して8TBからHDDを探すこととした。その中でもCMRの方式で安めの価格という希望があったため、WESTERN DIGITAL Blue WD80EAZZということとなった。安さで選ぶとSeagateという候補もあったが、所属していた研究室の隣の研究室がSeagateのHDDを利用しており、そこで故障して交換する作業をしばしば目にしていたためSeagate製のHDDに不安があり、WESTERN DIGITALのBlueを利用することとなった。

CFD Panram W4N2400PS-4G

QNAPのTS-453Dは公式の仕様では最大メモリは8GB(2 x 4GB)と公表されている。インターネット上でTS-453Dのメモリ増設の記事を調べると32GBで動作させている記事も見つかるが、同時に仕様の上限を超えたメモリを乗せたことによって勝手に再起動が起こる不具合が生じたという記事も見つかった。NASで扱うHDDの記憶容量が大きければ大きいほどメモリに余裕があることが求められるが、現在のところNAS上でDockerやVMを動かす予定がないので、仕様の最大メモリサイズと同様にメモリは8GBとした。
メーカや型番については特にこだわりなく適当に選んだ。

組み立て

この項目ではNASに対して行ったメモリ交換とHDDの取り付けについて解説する。

分解

まず、TS-453Dの外装を無理なく外せる部分を外してみた。HDDやSSDを取り付ける4つのSTAスロット、 2つのSO-DIMM、上部にPCIeスロットがあるのが確認できる。120mmのファンが1つあるが、工夫次第では交換できるかもしれない。
 
 

メモリ交換

TS-453D-4Gにはあらかじめ4GBのメモリが設置されている。これを交換して容量を8GBにする。仕様では最大メモリについて 8 GB (2 x 4 GB)と記載されているため、型番を揃えた4GBのメモリを2つ乗せることによって容量を8GBにする。
交換方法についてはスロットが一般的なノートパソコン、やNUCなどの小型PCに搭載されてされているソケットと形式が同じなため、特殊な操作が要求されることはなかった。
下の図はあらかじめ搭載されていた4GBのメモリを、4GB*2枚の8GBに交換した図である。
 
 
 

あらかじめ搭載されていたメモリはADATAのメモリということが確認でき、貼られてあるシールを確認すると DDR4 2666(19) 4GX SO-DIMM と記載されていることから帯域幅が21300MB/sあることがわかる。

 

HDD取り付け

HDDの取り付けはHDDトレーに嵌め、それをTS-453Dに差し込むだけで済み、ドライバーなどが要求されることはなかった。
 
 
 

設置

LANケーブルと電源を挿して、電源ボタンを押すと起動する。
 


まとめ 

今回は、QNAPのNASのTS-453Dを選定し設置するところまで書いた。
初期設定などは、気が向いたときに別の記事で書くかもしれないし書かないかもしれない。
一応この後のやることとしては、HDDが1枚しか挿さっていないためもう1枚かってRAID1を組むこと、QNAPにはクラウドバックアップという機能があるので、それを利用してデータのバックアップを取ることをするつもりである。
 
NASを起動し、アクセスしてみるとメモリが増えているのがわかる。
 

参考とか


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