Palette1202ビルドログ

概要

iPadで絵を描くことを快適にするためにBLE Micro Proを用いてPalette1202を導入しました.

 

経緯 

現在,CLIP STUDIO PAINT12.9inch 第3世代 iPad Proで利用しています.
iPad上でのCLIP STUDIO PAINTは,高品質なタッチパネルを使った指による直感的な操作によって,キャンパスの操作などが快適に行えます.
しかし,指を使った操作は同時に画面を指紋で汚すことに繋がり,長時間の使用によって画面の見易さ,ペンの滑り具合が変化してしまうなどの問題点が生じます.
今回,この問題の解決策として iPad に Palette1202 を併用することを試みます.
 

Palette1202

"イラストレーター向け片手デバイス" とPalette1202の公式ページで紹介があるように,12個のキーと2つのダイヤル(ダイヤルも押すことによってキーとしての役割も果たせるので,実質は14キー)という,大きさは大き過ぎず,ダイヤルという絵を描く際には便利な装置が入っている構成になっています.

その他の特徴としては,使用したい手の向きに対応した実装が可能であることや,自作キーボードに一般的に用いられるPro Microの他に,USB/Bluetooth Low Energyの両方の接続に対応したBLE Micro Proにも対応した作りになっており,13ピンコンスルーを2つ用意し組み合わせるだけで手軽にBLE Micro Proが使えるという特徴もあります.
 

組み立て

ここでは組み立てた手順について,ハードウェアの組み立てソフトウェアの設定に分けて説明します.
基本的には公式の組み立て手順に沿って組み立てる形になりますが,あわせて他の方が書いたビルドログを参照するとより理解が深まると思います.
 

ハードウェアの組み立て

ハードウェアの組み立ては公式の組み立て手順通りで基本的には困りませんが,ハンダ付けをする前にどちらの面を表面にするか確認し,マスキングテープなどで目印をつけておくと実装面を間違いにくくなると思います.
 
また,BLE Micro Pro用に電池キットを実装する際は,ハンダ付けが電池ボックスでは滑りやすく基板と電池ボックスを固定する面が少ない事,電源スイッチではハンダ付けする場所がやや狭いところが少々難しい点でした.
 
電池ボックスを実装する際は,電池ボックスの位置がPro Microカバーのパネルと基板を繋ぐ柱とかなり近い位置にあるため先に柱を基板に留めておくと,ハンダ付けした後に柱を留められなくて電池ボックスをずらすという操作が必要にならないかもしれません.

 
キースイッチには個人的な好みから,親指で使用する下段のキー左2つではKailh Pro Purpleを,それ以外ではAliaz Silentを使用しました.
 

ソフトウェアの設定

 ソフトウェアの設定では,BLE Micro ProをUSB接続を用いて,デフォルトで提供されているキー配列を使えるようにするまでの内容を初期設定,ダイヤルの操作を含めたキーマップのカスタマイズをキーマップのカスタマイズで説明します.

初期設定

これも先に紹介したビルドログを参照すると概ね良い感じですが,ダイヤル部分についてまでは記載されていなかったので,ここではそこまでの手順を記載します.

BLE Micro Proのブートローダーなどの初期設定ではBLE Micro Pro Web ConfigratorをGoogle Chromeで開き,"ブートローダーのアップデート","アプリケーションのアップデート","キーボードの設定を書き込む"を行います.
"ブートローダーのアップデート","アプリケーションのアップデート"では,特にこだわりが無ければ最新のものを選べば良いと思います.
"キーボードの設定を書き込む"では,公式ページに置いてあるBLE Micro ProのConfig(サンプル)をダウンロードして解凍し,その中に含まれている"CONFIG.JSN"を選択します.
これでキーでの操作は行えるようになります.

BLE Micro Proの設定は,BLE Micro Proのストレージ内にあるファイルを書き換えることによって行えます.


上記までの手順では,ダイヤルを回転させての操作は行えないので,行えるようにダイヤル部分の設定を記載されている,"ENCODER.JSN"を先ほど"CONFIG.JSN"が入っていたサンプルから,PCにボリュームとしてマウントされているPalette1202に移します.
他にもいくつかのファイルがサンプル内にあるので,全部Palette1202に移した方が無難だと思います.
 

キーマップのカスタマイズ 

キーマップのカスタマイズはGoogle ChromeからQMK Configuratorを利用するのが一番簡単です.ここの操作は先に紹介したビルドログの説明そのままになりますが,注意事項としてはキー設定が終わった後に "💾KEYMAP" のボタンを押さないと設定がROMに保存されず,PCとPalette1202のUSB接続を解除した時に設定が戻ってしまう点があります.
QMK Configuratorの説明は(初心者編)QMK Configuratorを使ってキーマップを書き換えようを見ると良いかもしれません.

ダイヤルの操作のカスタマイズはPalette1202のストレージ上にある"ENCODER.JSN"を直接書き換えることによって行えます.
"pin": [19, 20] の列が上のダイヤルについての設定."pin": [17, 18] の列が下のダイヤルについての設定です.実装した面の向きによって,回した時の動作が反転するので注意してください.(Default: 左手での利用の設定)
 "action"の[]内の[]の数を減らすと,"pin": [19, 20] の設定と "pin": [17, 18] の設定をくっつけて[]を5つまで増やされた場合があるので,[]は5つあると無難だと思います.
キーとファイルに書き込む文字列の対応についてはQMK Firmwareを参考にすると良いと思います.
"ENCODER.JSN" の設定自体はここを参照してください.

 

その他のはまりどころ

Palette1202の設定はUS配列での設定になっています.
しかし,iPad上のCLIP STUDIO PAINTでショートカットキーを利用する場合は,JIS配列のキーボードとしか認識しないようになっているため,PC上での動作とは異なった動作になります.対応としてはPalette1202の設定をJIS配列に変更するか,iPad上のCLIP STUDIO PAINTのショートカットを新しく割り当て直すのが良いと思います.
 
あとよく分からなくなったときは,他のキーボードの組み立て手順を見ると理解が深まる場合もあります. 

動作

iPad 上の CLIP STUDIO PAINT にPalette1202を組み合わせた時の動作についての動画です.


まとめ

Palette1202を利用することによって,iPadを指で操作することが減り,画面を指紋で汚すことが減った.
また,想定していた指紋で画面を汚すのを防ぐ効果の他に,画面に手を置かなくなったので画面を広く使え,全体を俯瞰して見やすくなるなどの効果もあった.
利用の際はPalette1202に限りませんが,机の上に手を置いて利用すると使いにくい部分があったりするのでFILCOの天然木リストレストを組み合わせています.
今後は,iPadとのBluetoothによる接続をできるようにすることと,ダイヤルのつまみを交換して見た目の良さと操作性の向上を図ることをしたいと考えています.
 
 

参考とか

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